備忘録

歩く姿はキモオタク

インターネットを闊歩する百合オタクにぜひ読んで欲しい百合がテーマの小説

 FLOWERS 夏編を終え久しぶりに百合体験をしたくなったので読んだ小説の中でも特に百合っぽいものを読んでいた. 百合っぽい小説というとなんだか俗っぽくて文学性がどうだ社会問題がどうだ言われそうだが心にくればどちらも同じだと思うのでインターネットを闊歩する百合オタクにぜひ読んで欲しい同性愛がテーマの小説を紹介しようと思う. 

 ありふれた風景画(著:あさのあつこ)

 あらすじ:高2の琉璃は「ウリをやっている」という噂を流され、上級生に絡まれていたところを美少女・綾目周子に助けられる。周子もまた、動物や自然の声と対話ができるという特異な能力をもつために、周囲から浮いた存在だった。2人は魅かれあい、互いをかけがえのない存在として純粋に求めていくが――。親、姉妹、異性…一筋縄ではいかない関係性に悩む10代女子の、脆くてフキゲンな日常。大ヒット「バッテリー」シリーズのあさのあつこが贈る、瑞々しい青春小説!

 青春小説で有名なあさのあつこ先生の作品. シンプルでスラスラと読める文体. 華美で派手では無いけれどその文ストーリーに没頭できた. セリフも秀逸. FLOWERS同様読み始めたその日に一気に終えた. 琉璃の変わり者と揶揄され, 同性である周子に惹かれていく心理描写が痛々しく刺さる. 十代の少女達の赤裸々で痛々しい心理描写を思いっきり暴き, そして結末にグッとくる, まさに痛快青春小説.

ありふれた風景画 (文春文庫)

ありふれた風景画 (文春文庫)

 

 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(著:桜庭一樹)

 あらすじ:その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日――直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。

GOSICK -ゴシック-やアニメ映画 伏 で有名な桜庭一樹先生の作品. オタクに優しい作品なので知っている人も多いと思う. 本作の初出は2004年ということでアリソンやイリヤの空、UFOの夏と同じ時代である事がわかる. 僕がまだ幼稚園児の頃. 文体はラノベ特有の少し砕けたものだけど, 言葉から構成に至るまで無駄が無くとても簡潔にまとまってた. なので200ページしかない. 普段小説を読まない人でも読みやすいので読んで欲しい.

 悲歌(著:中山可穂)

あらすじ:先生、あなたはなんという呪いをかけられたのですか?あなたの大切な者すべてを三角形の綴じ糸でほどけぬように縫い付けて、それぞれの愛を禁じるおそろしい呪いをかけたのは、一体何のためですか?―音楽家の忘れ形見と愛弟子の報われぬ恋「蝉丸」。隅田川心中した少女とその父の後日譚「隅田川」。変死した作家の凄絶な愛の姿「定家」。能に材を採り、狂おしく痛切な愛のかたちを浮かび上がらせる、中山可穂版・現代能楽集。

 レズビアンをテーマにした作品を語る上で外すことのできない中山可穂先生の作品. 本作でも読んでいただきたいのは隅田川という短編. まず女子高生カップルがゲームセンターに入っていき, 男女で撮ると子供の顔を予想してプリントするプリクラの前で立ち止まる. そして暫くたった頃その二人がバットでプリクラを予想ぶっ壊す所から物語は始まる... 本作は短くまとめられていて, いわば中山可穂先生の入門作のようなもの. なので本作を読んで何かを感じたときはケッヘルやジゴロを読むと幸せになれる. 

悲歌 (角川文庫)

悲歌 (角川文庫)

 

姫百合たちの放課後

あらすじ:「静香お姉様! わたくしがあなたを守ってさしあげます!」──美しき先輩の純潔を守るため、一計を案じた女子高生・純子の奮闘を描く表題作、オリンピック正式種目“自慰道”に懸ける青春「花と指」、地球外生命の侵攻から人類を救うレズビアニズムの奇跡「2001年宇宙の足袋」など“百合コメディ”全九篇を収録する作品集!

 自身もバイでよくコメディエロを書いてる森奈津子先生の作品. 表紙は清純そうな百合だけれど, 中身は百合コメデイ官能小説. 文体も読みやすくて, 男は出てくるけど眼中になし, 心理描写も特に無く速攻濡れ場. 百合エロが大好きな友人が「これを超える短編小説は無い」と断言していました. 普段読まない人でも軽く読める百合エロ好きにはオススメ. 

姫百合たちの放課後 (ハヤカワ文庫JA)
 

蛇行する川のほとり(著:恩田陸)

あらすじ:演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。

 最近直木賞を受賞した恩田陸先生の作品. 少女特有の甘い雰囲気と, 本来少女達と無縁であるはずのどんよりとした得体の知れない雰囲気が終始漂っています. 流石直木賞作家と言える整っていて読みやすく, 情景が浮かんでくる文体. 直接的な表現は無いものの少女達の微細な心情が描かています.

蛇行する川のほとり (集英社文庫)

蛇行する川のほとり (集英社文庫)

 

 

 以上. 本当はもっとたくさん紹介したい本があるのでまたやるかもしれない. 百合作品は数こそ少ないものの, しっかり色々な媒体に存在するのでまだまだ探していきたい. 次は吉屋信子先生の花物語を読もうと思う.